はじめに
最近では、個人でも簡単にゲーム配信や雑談配信ができる時代になりました。そんな中、「OBS Studio(以下、OBS)」は無料かつ高機能で人気の高い配信ソフトです。ただ、初めて使う方にとっては少しハードルが高く感じられるかもしれません。この記事では、配信初心者の方向けにOBSの導入方法や基本的な設定手順をやさしく解説します。ぜひこの機会にOBSをダウンロードして、あなたも気軽に配信を始めてみましょう!
OBS Studioの基本的な使い方

1. OBSのダウンロードとインストール
まずはOBSを入手するところからスタートしましょう。OBSは公式サイトから無料でダウンロードできます。
- 公式サイト: OBS公式URL
ステップ1:公式サイトへアクセス
OBS公式URLにアクセスし、ご利用のOS(Windows、Mac、Linuxなど)に合ったインストーラーを選んでダウンロードしてください。
ステップ2:インストーラーの実行
ダウンロードが完了したら、インストーラーをダブルクリックして起動します。画面の指示に従って進めればOKです。特に難しい設定はなく、「Next(次へ)」や「同意する(I Agree)」を選択していけば自動的にインストールが完了します。
ステップ3:起動と初期設定
インストールが終わったら、OBSを起動してみましょう。初回起動時には「自動構成ウィザード」という画面が表示され、配信や録画を最適化するための設定を自動で行ってくれます。細かい調整をする前に、とりあえずこのウィザードで簡易設定しておくのがおすすめです。

2. OBSの基本設定

続いてはOBSを使いやすくするための基本設定を見てみましょう。
出力(配信・録画)の設定

- ビットレート 配信映像や録画データの画質を左右する数値です。高すぎると視聴者の通信環境によってはカクつきが起きやすくなりますし、低いと画質が落ちます。初心者のうちは、解像度や配信サービスの推奨値に合わせましょう。たとえば、YouTubeのフルHD配信なら5,000~9,000kbps程度が目安です。
- エンコーダ CPU(X264)を使う方式か、GPU(NVENCやAMD)を使う方式かを選べます。ゲーミングPCなどでグラフィックカードの性能が高い場合は、GPUエンコードを選ぶとCPUへの負荷が軽減できます。
推奨設定は、配信先のサービスによって異なります。最小値、最大値、推奨値が設定されている場合があるので、お使いの配信パソコンのスペックや通信環境に合わせて調整していくとよいでしょう。
YouTube Live の推奨値
https://support.google.com/youtube/answer/2853702?hl=ja
Twitch配信の推奨値
https://www.twitch.tv/creatorcamp/ja-jp/paths/going-live/broadcast-recommendations
ニコニコ生放送の推奨値
https://qa.nicovideo.jp/faq/show/701?site_domain=default
映像(解像度・FPS)の設定

- 基本(キャンバス)解像度 OBS画面のベースとなる解像度です。配信したい解像度と同じに設定しておくと分かりやすいでしょう。
- 出力(スケーリング)解像度 実際に配信される解像度です。PCのスペックや配信環境によっては、キャンバス解像度より低く設定して配信負荷を減らすこともあります。
- FPS(フレームレート) 動画の滑らかさを決める数値です。ゲーム配信など動きの多い映像なら、最低30fps、できれば60fpsを目安に設定してみてください。
3. シーンとソースの設定

OBSで配信画面を作るうえで重要なのが「シーン」と「ソース」です。イメージとしては、シーン=レイヤーをまとめた配信画面の構成要素、ソース=画像やウィンドウ、ゲーム画面など個別の素材と考えると分かりやすいでしょう。
シーンの追加
- OBSの下部にある「シーン」欄で「+」ボタンをクリック
- シーン名(例:ゲーム配信、雑談配信 など)を分かりやすい名前で入力
- OKを押してシーンを追加
ソースの追加
- 追加したいシーンを選択した状態で「ソース」欄の「+」ボタンをクリック
- 「画面キャプチャ」や「ウィンドウキャプチャ」「映像キャプチャデバイス」など、目的に合ったソースを選ぶ
- 画面に映したい画面やデバイスを選択
- OKで確定

例えば、ゲーム配信を行う場合は「ゲーム画面」のソースと「マイク音声」のソースを同じシーンに含めればOKです。慣れてきたら、配信開始前に異なるシーンを複数用意しておき、配信中にシーンを切り替えることでさまざまな演出ができるようになります。
また、待機画面からカメラ映像に切り替えたいという場合もシーンの作成で解決できます。待機画面用とカメラ映像用のシーンをそれぞれ作成しておき、配信開始時に待機画面でスタートし、準備が整ったらカメラ映像用のシーンに切り替えるというイメージです。この際、待機画面にマイク音声が乗っていると配信にも声が乗ってしまうので必ず確認するようにしてください。
4. 音声設定とトラブル対策
初心者がつまずきやすいのが音声設定です。しっかりチェックしておくことで、音量が小さすぎたり音割れしたりといったトラブルを防ぎましょう。
基本の音声設定
- 音声ミキサー OBSの画面下部にある「音声ミキサー」では、マイク音声やゲーム音・システム音などの音量レベルを個別に調整できます。
- マイクの種類 USB接続マイクなどを使う方は、パソコンが認識しているかどうか、OBSの「設定」→「オーディオ」で選択できているかを確認しましょう。
- フィルタ マイク音声にゲイン(音量増幅)やノイズ抑制、ノイズゲートなどのフィルタをかけると、騒音や雑音を減らしやすくなります。
音声トラブル対策
- マイクの設定が分からないとき
マイクの種類や環境によって最適な設定は変わりますが、まずはマイクを正しく認識させることが第一歩です。 - 音量メーターを常に監視
配信を開始したら、OBSの音声メーターをよく見ておきましょう。メーターが赤く振り切れると音割れする可能性が高いですし、まったく反応がない場合は無音かもしれません。 - 事前テストは必須
配信開始前に、実際に録画してみたりテスト配信機能を使って音声を確認しましょう。画質や音質、配信の安定度をチェックすることで、トラブルを未然に防げます。相談できる相手がいる場合は、YouTubeの限定公開配信などを行うことで外部の人に聞かれることなくテストを行うことができます。
5. ストリームキーを設定して配信を開始
OBSで実際に配信を始めるには、配信先のプラットフォーム(YouTubeやTwitchなど)から取得したストリームキーを設定する必要があります。ストリームキーは、あなたの配信先とOBSを結びつける“パスワード”のようなものなので、絶対に他人に教えないように注意してください。

- 配信先のプラットフォームでストリームキーを取得
- YouTubeの場合:YouTube Studioにアクセスし、「配信」画面の設定からキーをコピー
- Twitchの場合:Twitchのクリエイターダッシュボードにアクセスし、「配信設定」からキーをコピー
- OBSの設定を開く
OBSのメイン画面右下にある「設定」をクリックし、「配信」タブを選びます。 - サービスを選択する
「サービス」欄で使用したい配信プラットフォーム(YouTubeやTwitchなど)を選択します。プラットフォームによっては地域やサーバーを選べる場合もありますが、基本的には自動でOKです。 - ストリームキーを貼り付ける
配信プラットフォームからコピーしたストリームキーを「ストリームキー」欄に貼り付け、「OK」を押して設定を保存します。 - 配信開始
設定が完了したら、OBSのメイン画面右下にある「配信開始」ボタンをクリックするだけで配信がスタートします。事前にテスト配信(非公開・限定公開など)を行い、映像や音声に問題がないか確認してから本番を迎えると安心です。
このように、OBSで配信を行うにはまずストリームキーの取得・設定が不可欠です。プラットフォームごとにやり方は異なりますが、基本的には公式のダッシュボードからストリームキーをコピーし、OBSにペーストすればOKです。最初は難しそうに感じるかもしれませんが、一度やり方を覚えてしまえば、あとはスムーズに配信を始めることができます。
まとめ
OBSは無料ながら高機能で、初心者から上級者まで幅広く支持される配信ソフトです。最初は「どう設定したらいいの?」と思うかもしれませんが、シンプルにシーンを作ってソースを追加し、基本的な音声・映像設定を整えるところから始めれば十分配信は可能です。慣れてきたらどんどんシーンを追加して演出にこだわったり、フィルタやプラグインを使ってさらに質の高い配信を目指すこともできます。
まずはOBS公式URLからOBSをダウンロードし、この記事を参考に設定を進めてみてください。あなたの初めての配信がスムーズにいくことを願っています!
さあ、配信の第一歩を踏み出しましょう。